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相続税の修正申告が必要となるケース
1 相続税の修正申告が必要となるケースは主に3つあります
修正申告は、相続税の申告書を税務署に提出した後に、申告内容の誤りに気が付いた場合、その誤りを訂正するために行うものです。
修正申告の方法には、相続税額を過少に申告していた場合に行う修正の申告と、相続税額を過大に申告していた場合に行う更正の請求の2種類があります。
相続税の修正申告が必要となるケースとしては、相続財産の評価または税額計算に誤りがあった場合、相続税申告後に新たな相続財産が発見された場合、未分割申告を行っていた場合が挙げられます。
以下、それぞれについて説明します。
2 相続財産の評価または税額計算に誤りがあった場合
相続税という税分野が有する大きな特徴のひとつとして、他の税分野にはない特有の財産評価方法が存在することが挙げられます。
相続税は、相続財産の評価額に対して課せられる税金ですので、財産評価に誤りがあると、税額にも誤りが生じることになります。
特に土地については、様々な評価手法が存在することに加え、大幅に評価額を下げることができる特例も設けられているため、評価額の算定を誤りやすいといえます。
適切な評価が行えず、相続税額に誤りがあった場合に、修正申告をすることがあります。
3 相続税申告後に新たな相続財産が発見された場合
相続税の申告と納付は、被相続人が死亡したことを知った日の翌日から10か月以内に行わなければなりません。
被相続人の財産が明確である場合は問題が起きにくいのですが、被相続人と離れて暮らしていて生活の状況をあまり知らなかった場合や、被相続人が秘密主義者で財産のことを明かしていない場合や、財産に関する資料を紛失してしまっていたような場合、相続財産の正確な調査には時間を要することがあります。
十分な調査ができずに相続税申告をした結果、申告後に新たな財産が発見されるというケースがあります。
例えば、被相続人が、何十年も前にリゾート地の土地を購入していたものの、被相続人自身もそのことを忘れてしまっていたようなケースにおいては、相続税申告期限後に当該土地に関する資料が見つかったり、自治体からの通知によって当該土地の存在が判明したりするということもあります。
このような場合に、相続税の修正申告を行うことがあるのです。
4 未分割申告を行っていた場合
相続税は、原則としては、遺産分割協議によって各相続人が取得する財産が確定していることを前提に、各相続人の税額を計算し、申告、納付を行います。
しかし、遺産分割がまとまらず、遺産分割協議を終えられないまま相続税の申告期限を迎えてしまうこともあります。
そのような場合、一旦法定相続割合で遺産分割をしたと仮定して、相続税の申告と納付を行うことになります。
参考リンク:国税庁・相続財産が分割されていないときの申告
そして、遺産分割協議が完了した後、改めて遺産分割の内容に従って各相続人の相続税額を算定し、修正申告を行うことになります。