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海外にある財産を相続した場合の相続税
1 海外にある財産を相続した場合にも相続税が課されることがある
被相続人が海外(国外)に財産を所有した場合、その国外財産についても相続税が課されることがあります。
今回は日本国籍を有する方の場合について説明をしますと、国内居住者が国外財産を相続した場合には相続税が課されるほか、国外居住者で相続開始前10年の間に被相続人か相続人が国内に住んでいた場合にも国外財産を相続した場合には相続税が課されます。
また、国外財産が存在する国によっては、その国においても相続税が課されることがあります。
このように、被相続人が国外に財産をお持ちであった場合、とても複雑な課税関係が発生することがあります。
次に、国外財産に対して、外国でも相続税が発生した場合の、日本での相続税の計算について説明します。
2 外国で相続税を支払った場合には税額控除を受けることができる
被相続人が国外にも財産をお持ちであった場合で、その国外財産に対して国内でも外国でも相続税が課せられた場合、二重に相続税が課せられることになってしまいます。
この二重課税を回避するため、外国でも相続税が課せられた場合には、国内の相続税から外国税額を控除できる制度が用意されています。
具体的には、外国で相続税を納めた場合には、その外国で納めた相続税額を上限として、国内の相続税から控除することができ、控除額は、次のいずれか少ない方の金額となります。
- ①外国で課税されて支払った相続税額
- ②日本での相続税額×(外国にある相続財産額合計/相続人の相続財産額合計)
外国で支払われた相続税額を日本円に換算する際には、外国で相続税を納めた日の対顧客電信売相場(TTS)を用います。
TTSは大手金融機関のウェブサイトなどで確認可能です。
実際に外国税額控除を受ける際には、相続税申告書の第8表を用い、外国税額を示すための資料として外国における相続税申告書等を添付します。
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