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相続税申告での失敗事例
1 相続税申告の落とし穴
相続税申告は自分でもできるとお考えの方や、特例を使用すれば相続税がかからないから申告は必要ないとお考えの方もいらっしゃるのではないでしょうか。
今回は、このような前提のもと、ご自身だけで対応した結果、相続税申告で失敗してしまったという事例についてご紹介します。
2 名義預金の存在を見落として失敗した事例
まず挙げられるのが、名義預金の申告を忘れてしまったために、後の税務調査で名義預金が発見され、追徴課税を受けてしまったというケースです。
名義預金とは、預金口座の名義は被相続人ではないものの、実際に金銭を預けており、口座を管理しているのが被相続人である預金のことをいいます。
名義預金は、相続税の申告においては、被相続人の財産とされます。
そして、ご自身で相続税申告をする際に、この名義預金の申告を忘れて申告をすると、その分の申告が過少申告となってしまい、ペナルティが課せられることになります。
税務署は、被相続人名義の預貯金口座のみならず、被相続人の配偶者や子、孫の名義の預貯金口座を調べることができます。
そのため、これらの名義預金が後から見つかるケースは少なくありません。
後で税務調査が入り、これらの名義預金の存在が見つかってしまうと、追徴課税が課せられることになります。
3 小規模宅地等の特例を使用すれば相続税が発生しないという理由で申告をしなかった事例
小規模宅地等の特例は、土地の評価額を大きく下げる事ができるため、相続税申告上重要な特例であるとされています。
小規模宅地等の特例を使用した結果、納付すべき相続税がゼロ円になるケースもあります。
しかし、小規模宅地等の特例を使用した結果、相続税がゼロ円になる場合であっても、その期限内に相続税申告を行う必要があります。
「特例を使えば相続税の金額がゼロ円になるから、申告もしなくていいだろう」と誤解されている方もいらっしゃいますが、この場合では納付額はゼロ円でも申告が必要なので、注意が必要です。
4 相続税申告は税理士にご相談を
自分で相続税申告を行おうとして失敗してしまう事例は、他にもいくつもあります。
税理士に相談・依頼することで、失敗を回避できるケースは多くあります。
ご自分の場合は相続税申告が必要かどうか、申告の際はどのような点に注意すればいいのかお悩みの際には、税理士に相談することをおすすめします。
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